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ホテルプログラムの10年の変化

ベラージオ

ホテルプログラムのポイント、ロイヤルティプログラム、上級会員の特典に関しての変化するペースが速く、1年ごとでは顕著にならない変化も10年のタイムスケールで考えると劇的な変化が起こっています。。

毎年、1年を振り返ってホテルプログラムの変化を考えることがあります。

しかし、今回は2019年も終わり、新しい10年を迎えるので過去の10年間について考えてみたいと思います。

Contents

大型合併

日本ではそれほど実感はないかもしれませんが、1990年にはアメリカのホテルの内70%近くが独立したホテルとして経営と運営がされていました。

20年後、その数は40%以下に減少しています。

ホテル業界には、大型のホテルブランドを含む大型の合併や統合、買収などにより巨大なホテルチェーンに統合されようとしています。

2015年、マリオットインターナショナルは、世界最大のホテルチェーンを形成するためにスターウッドホテル&リゾートを買収すると発表しました。

ホテルプログラムが完全に統一されるまでには今年まで待たないといけませんでした。

その他にもホテルとホテルプログラムの状況は完全に変わりました。

この10年間で買収と合併が数多く実行されました。

2014年、IHGリワードクラブは、Kimpton Hotelsを4億3,000万ドルで買収しました。

これは、IHGリワードクラブのブティックホテルでの影響力拡大に対する戦略の一つになります

2019年、シックスセンスのホテルとリゾートをホテルプログラムに取り入れました。

2015年、アコーはフェアモント、ラッフルズ、スイスホテルを買収し、高級ホテルの提供を大幅に増やしました。

2017年、ハイアットはアリゾナ州ツーソンにあるミラバルリゾート&スパを買収しました。

ミラバルは拡大を続け、2019年2月にオースティンに施設をオープンし、2020年春にバークシャーのリゾートをオープンする予定になります。

1年後、ハイアットは、トンプソンホテルズ、ジョワドヴィーヴル、デスティネーションホテルズ、アリラホテルズ&リゾーツを所有するグループであるTwo Roads Hospitalityの買収計画を発表しました。

これらの合併と買収は、それぞれの会員に関しては利便性を向上させることになります。

実際に利用するときに土地勘のない場所に旅行に行っても、ホテルを選択することや会員がポイントを使用してホテルやリゾートに泊まることも簡単になりました。

しかし、ホテルの多様性が損なわれたり小規模のホテルの経営を難しくしています。

ホテルプログラムは過去10年間で大きく変化しました。

これについては以下に詳しく説明しますが、業界全体のトレンドとして、オフピークおよびピークの変動制の導入など、横並びのプログラム内容になる可能性があります。

ホテルの「ピークおよびオフピーク」

航空会社は変動制の導入によりダイナミックな設定をすでに採用していますが、特典の引き換えから収益を増やしようとしているのは航空業界だけではありません。

多くのホテルチェーンは、ポイントで予約された滞在のピーク価格とオフピーク価格をすでに開始しています(または間もなく開始します)。

変動制の導入に関するホテル側の大きな利点は、ホテルがピーク料金とオフピーク料金を自由に設定できることです。

ほとんどのピーク旅行日は週末や連休に設定されるため、実質的に特典を利用するポイント数が上昇する事になります。

ヒルトンオナーズはこの変動制を導入してしばらくたちます。

明確なピークとオフピークのポイント数を設定するわけではなく、ヒルトンは各ホテルの最高価格と最低価格を公開し、その間で自由にポイント数を設定しています。

マリオットは今年、ピーク時とオフピーク時の価格設定を開始しました。

ハイアットは最近、2020年3月に同様の変更を行うことを発表しました。

これまでのところ、マリオットのピーク時とオフピーク時のポイント数は多かれ少なかれ予想どおりであることがわかりました。

変動制を導入した航空会社の特典航空券に必要なマイル数の幅は非常に大きく、予約の段階まで予想がつきづらい場合も多いと思います。

ホテルプログラムでは、そこまでの変動はなく予想のできる範囲になります。

ただし、変動制を導入するメリットはホテル側にあり、利用者は今まで以上にポイントを必要とするため、実質的にポイントの価値が下がることになります。

 

節約

低価格なホテルやエコノミークラスのホテルではバスルームに大きなボトルを設置してシャンプーやコンディショナーを提供しています。

今回マリオットとIHGリワードクラブ、ワールドオブハイアットでは、すべてのホテルブランドを対象に順次ミニボトルを廃止して大きなボトルでバスアメニティを提供する事になりました。

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世界最大のホテルグループの、IHGリワードクラブとマリオット、ワールドオブハイアットは、シャンプーなどの使い捨てミニボトルを完全に廃止することを発表しました。

マリオットは、使い捨てサイズの容器を詰め替え可能なポンプトップのディスペンサーに交換し、世界中の施設からシャンプー、コンディショナー、バスジェルのトラベルサイズのボトルを大きなボトルに交換すると発表しました。

すでに、約1,000軒のホテルが切り替えを行っており、他のホテルも2020年12月までに切り替えを完了すると発表されています。

マリオットによると、大きなポンプ付きボトルの1つには、約10〜12個の小さな使い捨てのトラベルボトルと同じ量が含まれています。

使い捨てボトルはごみにしかなりません。

中身も無駄になり、プラスチックはごみ処理に余計な費用が掛かるため、今アメリカでは1年くらい前までは考えられないくらいプラスチックに関する意識が向上しています。

大きなボトルに関しては、低価格なホテルを連想するため抵抗を感じる方もいるかもしれません。

ホテル側の経費削減を感じる方もいると思います。

しかし、経費と環境の両方を考えると他のホテルプログラムも必ず追従すると思います。

また、ボトルが大きいほど、ゲストの利便性が向上する可能性があります。

小さなボトルは一見したほど便利ではありません。

小さなキャップは、特にシャワーを浴びている場合は開けにくい場合があります。

当然、ボディローションなどは出しにくく、すべてを利用することができません。

また、女性何人かで宿泊する場合には、備え付けのミニボトルでは足りないので追加で頼むことになります。

そう考えるとプラスチックのごみを減らすことに加えて、これらの大型ディスペンサーにも他の利点があることがわかります。

大きなボトルのバルクディスペンサーは以前は安価なイメージがありました。

最近では、ロクシタン、エレミス、モルトンブラウン、その他の高品質ブランドの大きなボトルを利用していますので、ホテルブランドによってそれまでの品質は保証されると思います。

 

上級会員のメリット

ホテルの上級会員には様々な特典があります。

この上級会員に関しての変化もこの10年にありました。

この10年の傾向として、上級会員のレベル(階層)の増加と、中間層以下の上級会員の特典に関しての縮小があります。

上級会員になるための滞在回数は、階層が増えたことにより大幅な増加が必要になり、今まで25泊程度で最高級の上級会員になれていた会員は中間層の会員になっています。

プログラムによっては年間50滞在で、やっとまともな特典を利用できるようになり、それ以下の会員はホテルを利用する際の特典は、ほとんどなくなっています。

特にマリオット系列で、その傾向は顕著であり、50滞在が必要なプラチナ会員でもスイートルームなどへのアップグレードはなくなっています。

まだ、ラウンジへのアクセスが保証されていますが、その下のゴールド会員には特典らしい特典はなくなっています。

ヒルトンオナーズは今のところ、変化はありませんがダイヤモンド会員の上にもう一つの会員レベルを新設する噂は継続的に出てきます。

これからは、上級会員になるための費用と特典を考える必要があります。

この10年でホテルプログラムの上級会員に関する環境は厳しくなっています。

以前は、航空会社の上級会員以上にホテルプログラムの上級会員のメリットが多く、旅行や出張の際には実感することができました。

しかし、10年たった今を考えると、果たして同じホテルプログラムを利用して上級会員になる必要があるのか疑問に思うことが多くなっています。

上級会員を目指していると、不便な場所や本来なら利用しない場合でも、そのホテルプログラムに参加しているホテルを選択することが多くの場合にあると思います。

実感としては年間に30滞在程度で最上級会員になれるのであれば、上級会員を維持してもいいと思います。

それが倍以上の滞在が必要であるなら、仕事などで必然性のある方以外には費用対効果がないように思います。

その場合はクレジットカードを保持することで得られる上級会員か、もしくはクラブフロアーなどを予約した方が、実際のメリットは高いように思います。

この10年でホテル業界は大きく変わりましたが、頻繁に利用する利用者の側から考えると、最も大きく変わったのはこの部分かもしれません。

 

 

 

 

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