世界最大手のハーツレンタカーが170億ドルを超える負債により破産を申請しました。
ハーツレンタカーでは、破産申請中も会社を運営し続けるために、10億ドル以上の現金を手元に置く予定です。
ハーツレンタカーからの声明では「新型コロナウィルスの影響は突然で劇的であり、会社の収益と将来の予約が急激に減少しました。ハーツは、従業員と顧客の健康と安全を優先し、すべての不要な支出を排除し、流動性を維持するために直ちに行動を起こした」とし「金融再編により、ハーツは、長期にわたる旅行と全体的な世界経済の回復につながる可能性があるものをナビゲートする際に、会社を将来に向けてより適切に位置付けるより強固な財務構造への道を提供します。」と発表しています。
破産に含まれないのは、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国際事業地域と、ヘルツのフランチャイズ地域です。
破産を申請する前に、Dollar and Thriftyも運営している同社は会社を保護するために抜本的な対策を講じていました。
売却可能なレンタカーを中古市場で販売し、空港外の営業所を統合し、設備投資を据え置き、市場支出を削減し、世界の労働力を50%削減し、20,000人の従業員削減を発表しています。
破産申請は発表と同時に行われ、ハーツレンタカーはキャスリン・マリネロの後任となったポール・ストーン新CEOを発表しました。
前CEOは資金調達の必要は無いと以前発表していましたが、同時期にレンタカー大手のエイビスは、JPモルガン主導の融資グループから7億5,000万ドルの借入能力を交渉し、新型コロナウィルスの影響を乗り越えようとしていることと比較すると、今回の破産に至るまで、ハーツレンタカーの上層部は現在の状況の深刻さを認識しなかった事になり、今回の破産申請が行われました。
ハーツレンタカーでは会員になるとレンタカー利用でポイントを貯めることが出来、そのポイントを使ってレンタカーを借りることが出来ます。
現在のところ、無料のレンタルに交換しても安全なHertzゴールドプラスポイントはそのままになっていますが、ハーツレンタカーは昨年5月に無料レンタルの際に必要なポイント数を最大70%増やしました。
そのため、以前ほどのお得感はありません。
ハーツポイントを利用する最も価値のある方法の 1つは、航空会社の提携先にポイントを転送することです。
ですが、その機能はすでに削除されているようです。
現在の保有ポイントは合計: 10766ポイントになりますが、今後どうなるかわかりません。
過去2年間、ハーツレンタカーの最上級会員としてプレジデントサークルのステータスを利用していました。
レンタルする際に好きな車を選び、カウンターを利用しないで、「Clear Fast Lane」で列に並ぶことなく空港の営業所をすぐに出ることができます。
しかし、そういった特典も今回の破産申請の影響でレンタカーの種類が少なくなったり、ハーツレンタカーの料金は競合他社と比較しても割高ですがさらにレンタル料金が高くなったり、ポイントの価値が引き下げられたりすると、根本的に利用を考える必要があります。
ハーツレンタカーは何十年もの間、レンタカー業界のゴールドスタンダードでしたが、フォードモーターがハーツを売却し、レンタカーを自動車メーカーに再販する能力を低下させた2005年に始まった不良融資取引により、同社の業績不振が始まりました。
うまくいけば、新しいCEOと破産手続きによる新たな再生がヘルツを以前の状態に戻すことが出来るかもしれません。
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